
今回は、『夜間警備』というゲームのストーリーやエンディングについて紹介します。
深夜のオフィスビルで夜間警備をする主人公が、フロアを上がるごとに社内の人間関係の闇と怪奇現象に巻き込まれていくホラーゲームです。
⚠️ この記事はゲームのネタバレを含みますのでご注意下さい。
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この作品の怖さ
パワハラや社内のドロドロした人間関係が垣間見える中、フロアを上がるごとに怪奇現象がエスカレートしていきます。最初は「ちょっと変なオフィス」程度だったものが、上層階に進むにつれて空間そのものが異界へと変貌していく。その変化がじわじわと怖さを積み上げていきます。 幽霊屋敷のような非日常的な場所ではなく、誰もが知っているオフィスという日常的な空間が舞台だからこそ、リアルな恐怖感があります。
・じわじわと不安が積み重なる心理的ホラーが好きな人
・職場や人間関係をテーマにしたドラマ性のあるホラーが好きな人
・チラズアートの他作品が好きな人
主人公は35歳の男性警備員。妻と7歳の娘を持つ父親です。翌日に娘の誕生日を控えた10月22日の深夜、オフィスビルの夜間警備に初出勤します。
前任の警備員・落木敬護が突然連絡を絶ち、その欠員を埋める形での配属でした。業務はシンプルで、各フロアの火災報知器の点検、消灯、施錠、残業中の社員への帰宅催促を順にこなしながら11階まで上がっていくというものです。
最初は静かなオフィスでの平穏な業務に思えましたが、フロアを上がるごとに少しずつ「何かがおかしい」という違和感が生じ始めます。
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作品概要
| タイトル | 夜間警備(Night Security) |
|---|---|
| ジャンル | サイコロジカルホラー / ウォーキングシミュレーター |
| 開発・発売 | Chilla’s Art(チラズアート) |
| リリース日 | 2023年6月16日 |
| エンディング | 全2種類 |
| プラットフォーム | Windows |

このゲームの特徴
チラズアートらしいVHS風のエフェクトが、懐かしくも不気味な雰囲気を作り出しています。昔の録画映像のようなノイズや歪みが加わることで、ホラーの没入感がぐっと高まります。苦手な方は設定でオフにすることもできます。
幽霊屋敷のような非日常的な場所ではなく、誰もが想像しやすい深夜のオフィスビルが舞台です。静寂と孤独感の中で、じわじわと違和感が積み重なっていく構成になっています。
フロアを移動するごとにオートセーブされるので、途中でやめても安心して再開できます。エンディングは2種類で、プレイヤーの行動によって結末が変わります。
▼ このゲームの作品ページはこちら
https://store.steampowered.com/app/2367230/Chillas_Art_Night_Security/
ストーリーの詳細(ネタバレあり)
ここからは、ネタバレありで詳しいストーリーとエンディングについて紹介します⚠️
不穏な職場環境
主人公が警備を担当するオフィスビルには、前任の警備員・落木敬護が突然連絡を絶っていました。管理人・山本の置き手紙には「落木と連絡が取れなくなった。おそらく辞めたのだろう」と記されており、失踪からそれほど時間が経っていない様子です。主人公はその後任として警備を任されます。
巡回を進めるうちに、各所で見つかるビデオテープの内容が明らかになっていきます。上司による部下への罵声、社員同士の陰口。このビルではパワハラや複雑な人間関係が横行していたことがわかります。さらに、女性社員2人の会話から、一方の女性が落木敬護の恋人を奪ったことも示唆されています。
怪異のエスカレート

最初は「ちょっと変なオフィス」程度の違和感でしたが、フロアを上がるごとに怪異はエスカレートしていきます。コピー機が勝手に動いて謎の人物を印刷したり、レトロな人形が気づくと移動していたり。4階付近からは髪の長い女性の霊が現れ始めます。
5階では赤いワンピースの女性と遭遇します。彼女はごく自然に主人公に話しかけ「先に帰るね」と言い残してエレベーターに乗り込みます。電気を復旧させると監視室で落木敬護の記録と、事件を思わせる監視カメラ映像が確認できます。
映像には、女性社員2人がビル内で何かから逃げる様子、停電の直後に逃げ惑う様子、そして非常口のドアに血がつくところで映像が途切れる場面が記録されていました。
異界へと変貌するビル
9階以降、ビルは急激に異界化していきます。10階では部屋が逆さまになり、天井に椅子が張り付いています。エレベーターで11階へ向かうと落下する感覚があり、辿り着いた先の壁にはびっしりと「お前のせいだ」「逃がさない」「許さない」「裏切り者」という呪詛が書き連ねられていました。
時計の仕掛けから金庫を開けると残されたビデオが見つかります。ロッカーには男性の遺体があり、そのケーブルを使って再生すると、最後に赤いワンピースの女性が「愛して…」と語りかけるところで映像は終わります。
そして幽霊が追いかけてきます。ここで主人公は選択を迫られます。
エンディング
非常口から逃げる
11階で幽霊に追いかけられた際、非常口から逃げようとすると転落してしまいます。その後、画面にはこれまでのプレイ映像が高速で巻き戻される演出が入り、最後に「10月22日 落木敬護(35)」という表示で終わります。
落木と同じ運命を辿ったことが示唆されます。
トゥルーエンド:生還
分岐のポイント
- 11階の電子ロックに娘の誕生日「1023」を入力する
自宅や各フロアに散りばめられたヒントから、娘の誕生日「1023」を導き出してパスコードを入力します。エレベーターが開いて脱出に成功。
場面が切り替わり、主人公は病院のベッドで目を覚まします。傍らには心配そうに見守る妻と娘の姿。無事に現実の世界へ帰還できたことが描かれます。
ただし、病院の主人公一家の後ろに赤いワンピースの女性がのぞいており、完全に終わったとは言い切れない不穏な余韻を残して幕を閉じます。
まとめ・感想
深夜のオフィスビルという、誰もが想像できる日常的な空間が舞台だからこそ、怪異のリアルさが際立ちます。最初は「ちょっと変な職場」程度だったものが、フロアを上がるごとに取り返しのつかない場所へと変わっていく。その変化の積み重ねがこのゲームの怖さです。
パワハラや略奪愛といった、現実にも起こりうる人間関係の闇が呪いの根底にあるというのも、ただのホラーで終わらない深みを作っています。
作中には、赤いワンピースの女性や監視カメラ映像、VHSの映像など、多くの謎が残されています。現在時系列や映像を見直しながら考察をまとめている最中ですので、考察については後日追記予定です。
追記:下記に考察を追加しました。まだ断定できない部分も多い作品ですが、ゲーム内で確認できる情報を一つずつ整理しながら、私なりの仮説をまとめています。皆さんの考察ともぜひ比べてみてください。
考察
この作品は、時系列や怪異の正体など、明確になっていない部分が多く、様々な解釈ができる作品です。ここからは、ゲーム内で確認できた事実をもとに、私なりの考察をまとめます。
時系列を整理してみた
このゲームでまず違和感を感じた部分は、時系列です。落木は10月22日に失踪したようでした。
一方で主人公は、10月22日の夜自宅を出て、日付が変わる23日0時頃から勤務が始まります。事務所の山本の置き手紙も、落木が失踪してすぐのメモのようでした。
ここだけ見ると、事件はつい昨日の出来事のように見えます。一方で、勤務初日のはずの主人公に対する職員の会話では、主人公とは初対面ではないような言い回しがありました。そのことから、主人公は警備以外の仕事で以前からこのビルで働いていたのではないかと推測しました。
物語が進むにつれて、ビルの様子に違和感を覚えます。10階、11階へ行くと何年も放置されたように劣化していたり、突如現れるドアの奥の空間も錆びていたりしていて、この建物にはもっと昔から怪異が潜んでいたのではないかと考えました。
ところが、監視カメラには10/23と今日の日付が入っていました。監視カメラに映る、女性2人に関する事件発生後に6階へ行くと、明らかに事件後の光景が広がっていて、清掃員が清掃中でした。つまり、監視カメラの事件は現在進行形で起きていたことがわかります。
赤いワンピースの女性
次に、赤いワンピースの女性社員についてです。コピー機に印刷されていた人物はこの女性のように見えました。急に現れたり、トゥルーエンド後にも病院に現れるので、初見ではこの女性は幽霊だと思っていました。
でも、度々出てくる怪異と見比べると幽霊っぽさは無く、他の社員同様、自然な振る舞いをします。
赤いワンピースの女性は主人公を襲う存在ではなく、むしろ警告する立場だったのではないかと感じました。
彼女の行動に着目してみると、5階で電気を直すように主人公を促し、その後監視室で監視カメラとVHSを見る流れになります。
その流れから、彼女は主人公に敵意はなく、ここの社員たちの裏の顔を知らせたかったのではと思いました。
主人公が女性社員に連絡先を聞かれた描写では、連絡先を交換したことを示唆するようなやり取りにも見えます。
そして最終局面では、娘が描いた家族の絵と、パスコードは娘の誕生日でした。最後のこの場面は、主人公に「娘を思い出せ」と訴えかけているように、私は見えました。
冒頭では、自宅で用意されていただろう食事には手を付けず、コンビニ弁当のようなものを食べていたようでした。
上記の違和感を踏まえて立てた仮説
①赤いワンピースの女性は落木の恋人だった?
この物語の一連の流れを見て、赤いワンピースの女性は、落木の元恋人だったのではないかと考えました。他のパターンもいくつか考えてみましたが、一番しっくり来るのは元恋人説でした。
②主人公への警告だった?
主人公に連絡先を聞いて来た女性社員は、監視カメラ映像では警備員との関係性について、「寝取った」と話していましたが、主人公にも連絡先を聞き近づいて来ました。
その警備員とは、落木の事だったのか、主人公の事だったのか悩んだところでした。しかし、監視カメラの日付は主人公が巡回している10月23日でした。
主人公は巡回中に初めて女性社員から連絡先を聞かれており、まだ関係が進展している様子はありません。そのため、監視カメラ内で語られていた「警備員」は、主人公ではなく前任の落木を指していたのではないかと考えました。
もし赤いワンピースの女性が落木の恋人だったとすると、主人公にも女性社員の裏の顔を見せて警告したかったから、監視室へ行く流れへ誘導したのかもしれません。
落木の恋人の安否について語られるシーンは見当たらなかったので、彼女が実在していたのか、幽霊だったのかは断定できないところでした。
③怪異はもっと昔から存在していた?
そして怪異について。ヒューズを取りに行くシーンでは、戻った後に赤い足跡が付いてきます。その後に現れたのが、赤いワンピースの女性。その流れから考えれば、赤いワンピースの女性こそが怪異の正体だと考えられます。
ただ、上階の古びた状態や、怪異の見た目が赤いワンピースの女性からあまりにもかけ離れている部分から、全く別物の怪異だったのではないかと考えました。
あの怪異はもっと昔に、恋愛のもつれなどの恨みを持ってここに取り憑いてしまっていて、そこで赤いワンピースの女性が同じような境遇に陥ってしまった。そして女性社員や警備員の不貞行為、裏切りを許せなくて出てきた存在なのではないかと。
主人公に関しても、帰る家庭がありながら女性社員に連絡先を教えてしまったことなど、見過ごせない部分があったために巻き込まれてしまったのではないかと思いました。
④まだまだ残る疑問
ただ、まだいくつか疑問が残る部分が残っています。
・監視室のメモ
監視室の落木のメモには、何かを見てしまったような文章が残されていました。
監視室にあったVHSの内容は、女性社員によるイジメの証拠になるような会話でしたが、落木のメモと結びつけるには少し弱い気もしました。
となると、落木は監視カメラ映像で何かを見てメモを残したのか。
・トイレに居た女性
そして、トイレにいた女性が誰だったのか。ここについては情報も少なく憶測でしか語れない部分ではありますが、パワハラやイジメの実態がある中なので、トイレへ隠れていたパターンが考えられます。
・謎の残る赤いワンピースの女性
コピー機に写った写真に関しても、赤いワンピースの女性には見えますが、色がセピア色で古い写真にも見えました。
そしてこの女性は、主人公との会話では、初対面ではないような話ぶりでした。もしかしたら主人公の浮気相手だったのでは?という仮説も立てましたが、落木の恋人説もあり、私の中ではまとまらないままでした。
まだまだ考察の余地がある作品ではありますが、一旦ゲーム内で確認出来る事実と不可解な点を挙げてみました。
ボロボロになった上階などは、単純に怪異の影響で異質な環境に見えているだけ、という見方もできます。
明確な答えの見えないストーリーですが、だからこそプレイヤーごとに様々な解釈が生まれる作品なのかもしれません。
私自身、まだ気になる点がいくつも残っています。新たな発見があれば、この考察は追記していく予定です。